オルフェーヴル スプリングS 勝ちました

ポイントは10Rの六甲ステークス(外回り1600m)だったような気がしています。六甲Sは逃げ馬に有力馬が多く、差し追い込み馬の出番だと予想されていました。しかし、実際には前にいないとどうにもならないレースで、差し追い込みは不発。11RのスプリングSはさらに1F距離が伸びてスローに陥りやすいだけに、余計にスローペースではどうにもならないというジョッキー心理が働いたのかもしれません。

それが影響したのか? スプリングSは、前日に「トライアルだけにある程度速く流れてくれるかも」と書いた通りの流れになってくれました。
ただ、オルフェーヴルは、その流れを利して直線で各馬を交わしたのではなく、速い流れを3〜4角中間から自ら動いて、4角大外の時点ですでに馬群を飲み込んでしまうという競馬をしたわけですから、文句なしに強い競馬だったと思います(阪神の外回りはコーナーが大きい分ロスが大きく……普通なら無謀な競馬です)。
というか、外外を速めに動いて4角大外で先頭に立とうかという勢いだった時点で「池添! ドアホ!」と叫んでしまったのは私です。普通だと止まる競馬なのですが、そこからさらに伸びてそのまま最後まで先頭だったオルフェーヴルは、自分が考えていたのよりも強い馬なのでしょう。ジョッキーは折り合いが付いていたと言いますが、スタートしてからしばらくして行きたがって上がっていき(これは正解。馬が行きたいのならある程度ポジションを上げたほうがいいでしょう)。そのあとは落ち着かせようとしたところ首を上げていました。で、ポジションを少し下げて外に出したわけですから、直線まででかなりロスのある競馬です。それでも伸びるわけですから出資馬ながら脱帽です。
今回は前回の結果を踏まえて「何が何でも権利を」というレースでしたので、一番安全な策をとって正解だったと思います(いつもやって欲しい競馬ではありませんが)。池添Jも苦労が多かったと思いますが、時間をかけて上手く競馬を教え乗りこなしてくれました。ありがとうございました。


ただ、やはりムチを入られてから横っ飛びでかなり内に切れ込んでいました……。これは、非常にまずい。今回は新馬戦の時と同様、1歩抜け出してからの切れ込みだったのと、内外離れていたので他馬との接触はなかったわけですが、これが抜け出してからではなく、他馬も同じ脚色で抜け出す段階で切れ込んでいたら……。間違いなく数頭を巻き込む大変な事態を招いていたでしょう。ベルシャザールと並んでからも、最後はほとんど追えませんでした。新馬戦だけならともかく、これで6戦目。この段階でもまだあの斜行ですから常に心配が残ります。これからも、入れたいときにムチを入れられない、そういう競馬を強いられる可能性が高いでしょう。また、気性面もそうですが、馬体もギリギリでしたし、この春(クラシック)は厳しいと思います。

でも、とにかく、今日は勝てて本当に良かったです。
個人的にはスプリングSが目標ともクラシックが目的とも思っていませんが、それでも重賞を、しかも皐月賞トライアルG2を勝つというのは大変なことです。5年前、もうこんな馬を持つことはないだろうと思いましたが、ここまでオルフェーヴルは想像以上に走ってくれています。
個人的にはこの春はもう休んでもらっても良いと思うくらい頑張ってくれています。クラシックの匂いを感じさせる馬は数多くても、古馬まで無事に一線級で走り続ける馬はほんの一握り。そして、この血統は古馬になってさらによくなる血統。
目先のことよりも無事に来年以降も走れる馬になって欲しいと思います。