オルフェーヴル 菊花賞に向けて 〜これまでのレースでの課題

前走後に触れたコーナーで「膨れる(ふくれる)」という点について。

京都の外回りは楕円形の内回りとは全く違う形状をしています。
3コーナーをきつい角度で曲がり、その後は下りの疑似直線(よくロンシャンのフォルスストレートに似ていると言われる部分です)。もちろん完全な直線ではなくわずかにカーブしているのですが、非常に緩やかでほとんど角度はありません。
ということは、その分、最後にきついカーブを回って直線に向かなくてはならないわけで、4コーナーのカーブは鋭角に近いきついカーブになっています。
だから外回りコースでは直線を向くときに外に振られる馬が多く、扇形に拡がりやすくなります。
外が伸びる馬場なら、ちょうど横一線に拡がった競馬が見られて面白いのですが、今の馬場だと、外に振られた馬はその分のコースロスで後ろに下がってしまうだけでしょう。コーナーを大外から上がっていけばそれだけで数馬身のロスになり下がってしまいます。余力をなくすのも当然のことです。


では、最内を付けばいいじゃないかとなりますが、おそらくオルフェーヴルはそれは出来ないでしょう。まだまだ荒削りだと表現されるオルフェーヴルですが、中でもで気になっていたのは
①出遅れ ②口を割ってかかる ③直線での切れ込み(斜行) ④コーナーで膨れる、という4点。
出遅れは段々と克服されていると思います(ゲートイン前の嫌々も前回初めて見せませんでした)。
折り合いは前走でも本当に大変そうでしたが、一戦毎に池添ジョッキーが懸命に努力してくれています。
斜行は神戸新聞杯でも見られました。それと同じくらいやっかいになのが、右回りのコーナーでふくれるという点です。
実は前走だけでなく、京都もふくれています。中山でも。
中山の芙蓉ステークスでは、コーナーで外へ逃げようとして、結局、直線で真っ直ぐな体勢になるまで追い出せず。届きませんでした。
京都のシンザン記念きさらぎ賞は外回り。シンザン記念は、最内枠から上手く4コーナーをインで回ってそれほどふくれず、直線は中に出しました。しかし、きさらぎ賞はかなりふくれました。VTRを見ればよくわかるのですが、三コーナーの下りから4コーナー手前のカーブまでは、ほぼウインバリアシオンの直後に位置しています。それが、4コーナー手前でカーブがきつくなる時に大外に膨れて、前の馬に置かれてしまっています。それまで併走していたウインバリアシオンに、そのワンテンポのあいだに2馬身くらいおかれましたのでかなりのロスになっています。
神戸新聞杯でも、馬2頭分くらい外に逃げようとしていました。池添Jも分かっているので懸命に内に操縦しようとしてくれてましたが、それでもふくれていました。
ふくれると、操縦に懸命になるわけで、コーナーで押していくということは難しくなります。それでも阪神は直線が長いので、コーナーで押していく必要がなく助かってますが、これが直線の短くなる京都に変わってどうか。
直線が100m以上短くなるわけで、当然位置取りによっては4コーナー手前から押し上げていく必要がでてくるでしょう。ただ、ふくれるとそれは出来ません。ふくれるとワンテンポおかれてしまいます。ロスもありますし、直線に入ってからでないと追い出せなくなります。

5馬身離して勝てる力があるのならそれでも勝てるのでしょうが、舞台は淀の3000m。東京や阪神のように直線での余裕はありません。際どい勝負になれば、このコーナーでふくれる点は間違いなく響いてくると思われます。
ただ、その点を池添Jも十分に分かってくれていますし、シンザン記念ではインから中を上手く回ってきました。今度も何とかふくれずに上手く回ってきてくれると思います。そして出来れば、超大外でなく中程で回って来れたらそれに越したことはないと思います。


(続く?)