オルフェーヴル 阪神大賞典 レース後

昨日の続きです(全て個人的感想で、しかも確定的な事実を書いてるわけではありませので、そのへんはご理解のうえお願いいたします)。

まず、レース後の安否が気になって家族に新聞を買ってきてもらいましたが、クラブ情報以上のことは出ておらず、とにかく無事であることを願います。


・この馬にとって3000mがいかに過酷か
・普通にレースをしているように見えて、実は陣営の苦労と、オルフェーヴルとジョッキーとのコンタクトの深まりによって何とか普通のレースの形になっていること
毎回毎回しつこいくらい書いてるのはご存じの通りですが、どうにかかこなしてくれていたので、大丈夫なのかと思い始めていたのも確かです。
大丈夫か、いつか大変なことにならないか(一番恐いのは抜け出してからの内ラチ激突で大事になることでした)、常に心配しながらレースを見ていたわけですが、こんな形でレースで出てしまいました。ただオルフェーヴルや他の馬が怪我するような事態にならなかたのだけは幸い。人馬とも無事な形で、これだけの事態を経験したわけですから、それを糧にして大きな目標に挑戦して欲しいと思います。


菊花賞はスタンド前で馬群に入れて我慢できたこと、全体のペースがスローではなく、この馬にとっては救いである淀みのないペースで流れたこと、そして陣営の努力と池添Jの操縦が噛み合って、何とか3000mを乗り切れたレースだったと思います。
3冠という偉業も凄いことですが、「本当によくこの馬が3000mを我慢できたなぁ」「陣営とジョッキーがよくこの馬に3000mを我慢させてくれたなぁ」という、驚くべきレースでした。
気性を考えると、コースを1週以上する長距離レースを走らせるのは、他の馬とは比べものにならないくらい難しい話なのでしょう。それを、こうして、菊花賞有馬記念阪神大賞典天皇賞と、4戦続けて我慢させようとしているわけですから、どこかでこういう事態が発生することもあり得ました。当たり前ですが、レース中の操作が増えれば増えるほど、スイッチが入ってしまう可能性は高くなります。
このレースに関していえは、やはり馬群に入れられなかったのが痛かったと思いますが、金曜に書いた通り、大外枠ですから、選択できる戦法は限られてしまいます。しつこいですが、競馬がコーナーを回る競技である以上、「枠は関係ない」なんてことはあり得ません。
気性的に2000mでもやっとやっと。それを陣営が何とか工夫してここまで来ましが、今回の大外でしかもスタート後、ポケットが出来ない状況では、ジョッキーにはどうしようもなかったと思います。
今日の競馬を見るまでもなく、この馬は、スローペースではなくハイペースの方が良いのは明確です。スローで我慢に我慢を強いられる長距離よりも、気性的には2000m前後の方がいいのも池江先生が前から言われている通りです。
2000m前後に的を絞ればオルフェーヴルにも無理させることが少なくなるでしょう。走りやすいように走れて馬は喜ぶかもしれません。ジョッキーも陣営もここまで苦労しなくても済むのでしょう。


では、次走に予定されていた、最長距離G1の春の天皇賞はやめるべきか?
いえ、是非チャレンジすべきだと思います。
守りではなくチャレンジ。馬にもジョッキーにも、はたから見ている以上の大変な選択になるのは承知の上で、あえて挑戦して欲しいと思います。

今後天皇賞に進むべきか、もう一度考えられるという報道ですが、たぶん陣営はあきらめないのではないでしょうか?
私もそれでいいと思います。
距離もスローペースも、オルフェーヴルと池添Jには本当に大変なことです。ある程度馬の行きたいように走れる距離で走らせてあげるのも一考かもしれません。
でも、ここまでチャレンジしてきたのだから、またチャレンジでいいと思います。
そして、陣営も大きな目標に向けて再び挑戦すると思います。
馬券を買われる方には申し訳ありませんが、個人的には無敗で勝ち続けることは必要ないと思っています。
これまで敗戦を糧に大きく成長してきた人馬です。

「負けてはいけない馬」「こうでないといけない馬」
気持ちはわかりますし、出来れば馬のためにも土を付けたくないのもわかります。でも、あまりこだわりすぎると馬の個性を損ないます。
負けることがあるのも競馬(負けるのを歓迎しているのではありません。念のため)。
いろんなタイプの馬がいます。そして、個人的には、勝つ喜び負ける悔しさの中でさらに成長していくところが、競馬の一番の素晴らしさだと思います。

無事であれば次があります。個人的には、守る馬ではなくてチャレンジする馬であって欲しいと思います。

とりあえず今の情報では無事ということでホッとしていますが、おそらく競馬史上最高にロスのある競馬で追い込んだ(馬が根性で食らいついて走った)わけですから、疲れが残らないか心配です。
とにかく無事であって欲しい、そして、大きな疲れが出ないことを願います。