オルフェーヴル 天皇賞 その後

クラブからは昨日以上の情報はないのですが、無事だと信じています。
宝塚も考えているような報道がありましたが、急がないでしばらくゆっくりさせてあげたほうがいいようにと思います。
もちろんローテにはなんの権限も持たないものの願いですが……。

これまでまさに人馬ともに歩んできたのはご存知の通り。
「人馬ともに」、あの阪神大賞典の無理な競馬とその後の影響が幾重にもあったのは間違いないでしょう。
そして、「人馬ともに」、昨日の競馬はどうやっても勝てない競馬だっと思います。だからこそ1.8秒差の大敗。
逆説的になりますが、だからこそ、最初の方針通り、ブレずに「凱旋門賞に絞って」挑戦するのがいいと思います。日本で直前に好走しないと挑戦してはいけないわけでも、人気を背負う立場で挑戦しなくてはならないわけでもないでしょう。何故挑戦しようと思ったのかという原点が大事。そしてその原点を損なった1.8秒差の大敗であったかというと、そうは思いません。

戦前から、人馬のうち、ジョッキーの方に、より大きく前走の影響が残っていると思っていましたが、天皇賞のあの走り方を見ると、オルフェーヴル自身にもやはり大きな影響があったのは明らか。
池添ジョッキーには、「同じことは繰り返せない、下げなければいけない、何が何でも勝たなければいけない」という呪縛があるのでしょう。「最後方に下げて」「大外をまくる」という、乗り方を一つに限定する苦しい立場に追い込んでしまいました(それも馬にとっては一番きつい作戦に限定)。
オルフェーヴルも、パドックでこぢんまりと映り、覇気がないだけではなく、道中のフットワークもいつもと違い、ストライドが伸びず、脚がいつもほど前に出ないちょこちょこ走り。いつもの走りではありませんでした。
あれだけの無理な阪神大賞典での競馬です。その後の過程も含めて色んな影響があったのでしょう。厩舎は懸命に取り組んでくれたのを知っていますので、全く批判する気はありません。というか、本当に大変だったと思います。結果は結果ですが、ここまでの陣営の取り組みにはすごく感謝しています。


ここで必要なのはリセット&リフレッシュ。これが上手くいかないと、阪神大賞典の無理な競馬の負の連鎖をずっと断ち切れないまま、今後も背負っていくことになってしまいます。
だから、6月の宝塚記念なんて無理しない方がいいと思います。

そりゃ、この状態では秋まで楽しみはないなぁ、長いなぁと思ってた中で、6月にレースを走ることになったら、それは嬉しいことかも知れません。
陣営も雪辱のチャンスを早期に迎えることができる方が嬉しいでしょう。
でもねぇ……普通の敗戦ではなく、あきらかにフットワークがいつもと違う中での1.8秒差の大敗。
急いで、人間にはいいことがあったとしても、馬にいいことがあるとは思えません。
前走とその後の影響は幾重にもあったでしょう。もし仮になかったとしてもその可能性を考慮して、しばらくはゆっくりさせてあげないと、後々まで響いたら本当に取り返しがつきません。
いろんな思惑があるでしょうが、人馬とも限りなく悪いリズムになってるのは間違いのないところで、一度リセットすること、リフレッシュすることを優先した方が良いと思います。もちろん馬のためにも6月を次走に定めるよりも、時間をかけてしばらくじっくりと立て直して欲しいと思います(どうしても使ってから行かなければならないのなら、ゆっくりさせてから8月の札幌でしょう。でもそれでは現地の前哨戦が?……こんなこと妄想できるのも、馬が無事あってくれたおかげですね)。


負けられない立場も分かりますが、負けることも勝つこともあるのが競馬。池江さんが前から言われているように、色んなタイプの馬がいて、まさに型にはまらないオルフェーヴルは異色の三冠馬。勝つという気持ちは大切ですが、立場が立場を苦しめれば本末転倒。
いつも言うことですが、個人的には、この馬にはチャンピオンの立場よりも、(乗り方を含めて)チャレンジする馬であって欲しいと思います。この2戦を負の連鎖としてずっと引きずるか、すぱっと切り替えて、さらに成長したオルフェーヴルとしてより良い走りを目指すか。後者であって欲しいと思いますし、必ずそうしてくれると信じています。
そのためにも、ゆっくりリセットして、前向きに当初の予定通り去年からの大目標・凱旋門賞にチャレンジして欲しいと思います(まあ、国内秋のG1レース3連戦なら見に行きやすいし、遠征よりも体調もととのえやすいでしょうし、それはそれで嬉しいことなのですが、あれだけ願っていた目標。ブレない方がいいと思います)。