オルフェーヴル 天皇賞 春 11着

11着。
18頭走る競馬で常に勝てるとは考えてませんし、考えるのも嫌なほうなので、結果は残念ですが納得しています。今日はしんどい状態だったと思いますが、よく最後まで真っ直ぐ走ってくれました。パドックで小さくしぼんでいる感じで今日はどうかな? と思ってましたが、最後までアクシデントなく走り終えてくれ、まずは無事が一番。
一点心配だったのは、やはり、きさらぎ賞の時と同じく京都の外回り(Aコース以外)の最終コーナーをこなせませんでした。4コーナーで脚を滑らせ、かなり外へふくれました。その時のフットワークがかなり無理なフットワーク(遠心力で、加速しようとする脚が外へぶっ飛んでいくような状態)だったので、レース後は非常に心配していましたが、クラブの更新によると今のところ無事なようでまずは安心しました。

ラッパを鳴らすのは簡単でも、実際に走るのは大変。もう十分すぎるほど頑張ってくれてますので、また調子が良くなって頑張ってくれて、いつか大喜びさせてくれたら、それで十分です。勝ち続けて、それで当たり前になるのは恐いことです。これだけの馬が出走してくるG1レース。ひとつ勝ってくれるだけでももの凄いこと。そういう気持ちで、また頑張ってくれる日を楽しみにしたいと思います。全ては無事だから言えること。とりあえず無事なようで感謝しています。


敗因は、二重三重四重の意味で前走の影響が大きかったと思います。
探せば十点くらい挙げられるでしょうが、言っても仕方ないことです。
ただし、一つ言えるのは、
色々あるけど、今日のオルフェーヴルならどんな乗り方をしても勝てなかったと思います。
同時に、今日の競馬であの乗り方なら、どんな状態でも勝てなかったと思います。
どうやっても勝てなかったということですね。

そして、「絶対負けられない」という呪縛をかけ続ける限り、またいつでも同じことになる可能性はあるし、馬に負担をかけ続けることになるでしょう。


今日の騎乗は自分の一番嫌いな騎乗でした。前走あれだけ無茶をしたのに、ここでもまた馬に一番負担の掛かる「わざわざ最後方」「大外まくり」を選択。
前走の影響もありますが、「絶対負けられない」ということの呪縛でしょう。勝ったり負けたりするのが競馬です。勝ったり負けたりする中で、より良い作戦を選択し、より大きな喜びを目指すのが競馬。絶対負けないのは競馬ではありません。「絶対負けられない」という意気込みは大切ですが、それによって馬に必要以上の負担をかける乗り方になるのは反対です。
「好スタートでも最後方付近に下げる」「3コーナーから大外まくりでごぼう抜きを図る」、これは今の馬場を考えると一番オルフェーヴルに負担のかかる選択だったと思います。3コーナーから仕掛けても馬が動かなかったということですが、それで良かったと思います。もしあそこから、今の馬場で前を捉えるとなると32.1秒くらいの脚を使わなければなりません。4Fだと43秒台。しかも、大外を回って、脚が吹っ飛んでいきそうなくらいふくれて……。
そんなことにならないで、馬が反応しないで、逆に助かったと思います。これからは呪縛を捨てて、そういう脚を強いるような選択は避けて欲しいと思います。

この点についての詳しいことはまた明日以降。


ちなみに、凱旋門賞挑戦は考え直す必要はないと思います。元々、春の天皇賞オルフェーヴルの気性にとって大きなチャレンジではありましたが、ここで何かを証明する必要はなかったレースだと思います。そして、元々、何故凱旋門賞挑戦を目指し、それを表明したのでしょうか?
良い結果は出ませんでしたが、これも競馬。
それはそれとして受け入れて、本来の目的を考えたとき、このレースで、凱旋門賞を目指すのをやめる必要はどこにもないと思います。今日の1.8秒差の大敗でこれまでやって来たことが消えるわけではありません。何故凱旋門賞を目指そうとしたのか? このレースでそれが消えるのか? そんなことはないでしょう。
勝ったり負けたりするのが競馬。挑戦しなければ勝ち負けもありません。
前向きにチャレンジチャレンジ。
もちろん体調がということになれば、それは絶対に見送るべきです。が、まだ幸いにして本番は5ヶ月以上先の話です。今はかなりしんどい状態だと思いますので、しばらくはレースはないでしょうが、それまでに立て直せるなら、今日の結果で、これまで積み上げてきたものを考え直す必要はないと思います。

少し辛口の部分もありましたが、陣営もジョッキーも最善を尽くしてくれました。人はまた来週がありますが、馬はしばらくゆっくりさせて欲しいと思います。

(追記)宝塚も選択肢にという報道ですが、それは? どう見ても今までと同じ走りではありませんでしたし、タイム差からも普通の敗戦ではないのは明らか。阪神大賞典とその後の影響も大きかったでしょう。どうかここは無理をしないで欲しいと思います。