2012年 キングジョージ6世&クイーンエリザベスS レース後

日本とは全然違う馬場入場でどうなるか心配していましたが、何とか我慢できていて、装鞍などを工夫した陣営の努力が活かされていると思いました。
岩田騎手も折り合い優先で上手くなだめて控える競馬。少し外外を回った点を除けば、初めてのコースで最善の騎乗を心がけていたと思います。
コースがタフなのもあってか、直線は失速して結果は8着でしたが、馬も最後まで頑張って走って熱い挑戦でした。
ゲームやテレビでは簡単そうに見えても、実際の遠征は、輸送も調整も、そして競馬も、大変なことだらけ。そんなに簡単なものじゃありません。

それでも、タフなアスコットの2400mへのチャレンジ。勇気ある挑戦でした。
レース直後の悔しい中で、師が最後に声を振り絞って、「アスコットは難しい、だからこそこれからも挑戦し続けなければ」というようなことをおっしゃってましたが、その通りだと思います。
同時に、一般論として、欧州遠征は、簡単でないからこそ、挑戦する以上「考えうる限りの準備」をして、馬を連れて行って欲しいと思います(今回は陣営も二度目のニューマーケット→アスコットで、出来る限りの準備をされていたことと思います)。

正直言って、オルフェーヴル凱旋門賞挑戦も、そんなに簡単に希望しているような結果が出るとは思っていません(昨日の結果でというより、元々そんな簡単なものではない)。中立国のレースではなく、向こうの、欧州の最高峰のレース。陣営の遠征も初めてづくし。すべてが好転して、そしてオルフェーヴルが万全の状態で、当日もすべてが上手くいって、歯車が噛み合って、それでなんとかやっとレースになる、それくらいの可能性だと思います。そして、オルフェーヴルの特別な気性を考えると、すべての歯車が噛み合うというのは簡単には望めないことです。
でも、そのすべてが上手くいく可能性にかけて、みんなが努力してくれる。
それ自体が、本当にありがたいことだと思います。

2012年のキングジョージに熱い挑戦をしてくれたディープブリランテとすべての関係者に感謝したいと思います。勝つ喜び、負ける悔しさ、両方とも同じくら大切な経験。こんな素晴らしい舞台でその経験が出来るのは素晴らしいことだと思います。