オルフェーヴル 明日 フォワ賞 「すべては凱旋門賞のために」

「すべては凱旋門賞のために」……GCのフォワ賞中継の宣伝、キャッチフレーズです。
その通りだと思います。「すべては凱旋門賞のために」。オルフェーヴルが出国したのは8月25日ですが、凱旋門賞に向けての挑戦は昨日今日はじまったことではありません。
オルフェーヴルは去年、三冠を取ってからは、すべて凱旋門賞を見据えてレースをこなしてきました。だからレースでも得意とは言えないスローペースを我慢をする競馬が続きました。凱旋門賞を目指して1000m通過が1分4秒という、この馬にとっては本当にしんどいスローを我慢する競馬を経験してきました。ゲームであれば、調教して経験値を積んで数字で計って「はい。クリア」となるのでしょうが、走るのは生身の馬。ゲームのようには行きません。阪神大賞典では我慢しきれずああいうことになりました。スローで辛抱する昨秋からの過程は、馬もジョッキーも本当に大変だったことでしょう。それでも凱旋門賞で辛抱しなければならないペースを考えてチャレンジしてきました。
しかし、前走、オルフェーヴルが一番得意で伸び伸び走れる、ガチンコの流れを宝塚記念で走ってしまいました。オルフェーヴルは嬉しかったと思います(それでも向こう正面でエイシンフラッシュと並んだとき行きたがっていましたが)。
一転して、今度はまた超スローかつ小頭数の特殊なレース展開が予想されます。前走のあとだけに、ここはどこまで我慢が効くかが焦点でしょう。
ただし、この極端な小頭数ですので、そこまでのテンションにはならない可能性もあり、落ち着いて走ってくれるかもしれません。落ち着いて走ってくれればもちろん嬉しいですが、それはそれで本番の多頭数、こすりあいの中でどれだけスローを我慢できるかという、本番のためのバロメーターにはなりにくいでしょう。
それでも、前走で伸び伸びと走った後、ここでどれだけ我慢が効くかは重要だと思います。伸び伸びガチンコペースで2000mくらいを走らせてあげたいけれど、競馬は1頭でするものではありません。ましてや次走はずっと目標にしてきた10月7日、凱旋門賞


「すべては凱旋門賞のために」
本番でどんな競馬が出来るかはわかりません。でも、一番良い状態と、最も本番にふさわしい状況で(そしてアクシデントが発生しにくい状況で)、10月7日を迎える。そのために全ての関係者が努力をして下さっています。
だからこそ、いかにこの前哨戦を本番のために活かせるか。本番のための良い経験が出来るか ―― 10月7日を万全に迎えるためのレースに出来るか。これまで繰りかえしてきたので内容は省きますが、オルフェーヴルの良い面も難しい面も含めて、収穫のある前哨戦になって欲しいと思います。
そして、すべては無事であればこそ。何よりもアクシデントなく無事に走り終えて欲しいと願っています。