オルフェーヴル 凱旋門賞に向けて 〜フォワ賞を経験して Ⅱ

前回は前哨戦で見えた一つの課題、気性・折り合いについて触れました。今日は前哨戦で見せた走法について。
持って生まれた体と身体能力をいかに実際の競馬に結びつけるかという点において、気性と同じくらい大事なのは走法だと思います。ディープインパクトを例に挙げるまでもなく、名馬といわれる馬は走法に特徴のある馬が多く、それを武器にして他馬より大きなアドバンテージを得ているのでしょう(ちなみにキャメロットも特徴あり。前走初の敗戦でしたが、凱旋門賞に出てくるでしょう。前走負けてるからこそ、凄〜く嫌)。

先日も取りあげましたが、オルフェーヴルにとっても日本では大きなアドバンテージになっていたのが「ストライド+ピッチ」の走法。ただ単にフットワークが大きいというのではなく、前脚を目一杯伸ばしたストライド+ピッチ。
今でも新馬戦を思い出します。オルフェーヴルのデビュー戦で一番注目していたのは、勝った負けた以上に、兄のような高速回転が見られるかどうか。追い出されてからのあの高速回転が繰り出せるかどうかが、この馬の競走馬としてのスタートの一番大きな焦点でしたが、見事にそれを見せてくれました(同時に内ラチまで飛んでいって恐かったけれど)。
そして、その高速回転に加えて、稼働域も大きく、前脚の先と肩が一直線に伸びることによって生み出されるストライド。この馬の好調時の前の馬を捕らえに行くときの、重心を低くして前肢目一杯伸ばしながら、さらに回転を上げていく走法は、(手前味噌?)本当に迫力があります。このストライド+ピッチの走法は、勝負根性と同様にこの馬の大きな武器でした。
しかしフォワ賞では、ある程度予想されたことかもしれませんが、日本のフットワークとは違っていました。色んな影響があるでしょうが、やはり芝と凹凸の違いが大きいと思います。
着地の時点での体勢が日本のそれとは違ってしまっているので、おそらく本番でも、前脚を目一杯伸ばしてかつ高速回転で他馬を突き放すという、日本のような走りではなく、よりピッチ寄りの走りになるのではないかと思います。これまでの走法という点では、この馬の大きな長所を活かせない可能性が高くなりますが、向こうの馬場で挑戦するのは初めから分かっていたことです。
馬場と欧州のペースを含めての凱旋門賞挑戦なので、そこはオルフェーヴルの適応力に賭けるほかありません。
いつもの武器が発揮できないかもしれないというのは大きなことですが、一戦だけとはいえ、前哨戦で馬場を経験して欧州に滞在したまま本番を迎えるという環境は整えてもらいました。あとはオルフェーヴルがどう適応するか。頭で考えるほど簡単ではないでしょうが、持ち前の運動神経と勝負根性ですべてをカバーしてくれることを願っています。
(どこまでも個人的な感想です)

今日、一週前追い切りだと思います。
早いもので前走からちょうど10日が経過しました。日程はタイトですが、凱旋門賞まではあと11日。本番はすぐそこです。
どうか無事にこなして、無事に10月7日を迎えてくれますように。