オルフェーヴル 凱旋門賞 観戦記 準備〜渡仏編 その3

我が家の状況に戻りますが、天皇賞(春)のあと、池江師の白紙発言があったあとも、きっと凱旋門賞に向かってくれると信じて準備を続けていました。
まず、航空券です。過去の経験から、遠征となった場合はクラブ経由で海外競馬に精通したツアーが案内されるのは承知していました。が、何と言っても人数が多く費用的にツアーは厳しい。社台でケチなことをと思われるかもしれませんが、我が家はぎりぎりでやってます。凱旋門賞だからといって、いくら使ってもとはなりません。そして子連れではツアーや関係者の方にいろんな迷惑をかけてしまうのも、はじめから分かっていることです。
だから、前回のアスコット同様、航空券を自分で取って、ホテルを手配して、自分でロンシャンと観光の比重を考えて諸々を計画するということになります。ただ、前回と違うのは、家族がパリの観光も希望している点。もともと弾丸ツアーに近い日程ですから、よほど上手くスケジュールを組まないとあちこちは回れません。
それでも大人だけなら強攻策でなんてことないのですが、何と言っても子連れ。ツアーでない以上、全て自分の責任で、安全と疲労を考えて行動しなければなりません。国内旅行でさえ、旅先でケガして救急車で運ばれたり、急な発熱で右往左往したり……困ったのは数度ではありません。
そして、フランス。
現地に住んでいた友人は治安がいいと言うし、他からもおおむねそういう評判なのですが、自分が十数年前に旅行した体験では「子連れでは少し恐いかなぁ」というイメージ。地元のガキに「レーザーガン」で目を照射されたことがありました。こちらも若かったので追いかけたら逃げたけど……。それ以外にも、どうも治安は良くないという印象が強く残っています。まあ、PERに乗りまくってあちこちを回っていたから、というのもあるのでしょうが。

そいうことを考えて、ホテルは、豪華さよりもなによりも立地。安全に滞在できて、安全にあちこちへ移動可能なホテル(立地が全てというのは今回に限らず日頃からの考えです)。
現地での移動は何とかなりそう。パリと言えばメトロですが、嫌な思いをしたくないのと子連れということを考えれば、面白くも何ともない地下の移動はできれば避けたいところ。ただ、移動は、手間と少しの費用を惜しまなければいくらでも安全に移動できそうです。

問題は何よりもフライト。大人は文庫本があれば13時間のフライトでも辛抱できますが、子供はそういうわけにはいきません。フライトは子連れに最適な席を取るのが最優先(バシュネットを設置できる席ではありません。もっと良い席があります)。その座席を抑えるためには、ある程度早めに航空券を購入する必要がありました。日系の航空会社なら上手く周囲をブロックしてくれる席を狙えばいいのでしょうが、エールフランスで、しかも三連休で混雑が予想される日程ではそれは望めないでしょう。だから、少しでも早く航空券を抑えてしまいたいところ。

はじめ、池江師が3月にでもフランスを視察するという計画があり、それに合わせて航空券を抑えようと、毎日エールフランスで座席をチェック。しかし3月の視察は延期。次は5月に視察をと言われていましたが、天皇賞の惨敗で遠征自体が白紙に。それでも信じて凱旋門賞一本で行って欲しいと願う我が家は、先に航空券を抑えようとしましたが、10月の三連休は「払い戻し不可の」料金(クラス)になることが判明。いくらなんでも払い戻し不可の航空券を、遠征白紙の状態では抑えられません。
だから、とにかく早く行くことを表明してと願ってきましたが、宝塚記念快勝後も正式発表はされず。クラブに飛行機取っていいかと聞いても「まだやめておいた方がいい」とのアドバイス
そうこうしてる内に、座席はどんどん埋まっていき、子連れに最適の座席も空席なしの状態に。「子供フランスまで行くのしんどいやろ? 一人でビジネスで行くわ」など言ってみたものの、その瞬間(オルフェーヴル凱旋門賞を駆ける瞬間)を見たいのはみんな同じ。
ようやく7月15日ごろ、オルフェーヴル凱旋門賞挑戦が正式に発表されたのを受け、全員分の航空券を購入。座席も残った中では最善の席を予約。その時点でもうかなり埋まっている状態。でも、まだ凱旋門賞の三ヶ月も前なのに、払い戻し不可のチケットをよく買ったもんだと、今さらながら冷や汗もの。もしオルフェーヴルにアクシデントがあれば、ウン十万円全部戻ってこなかったのね……。

さて、飛行機さえ抑えればあとは安心。ゆっくり現地での観光を検討すれば良い状態。ホテルはすでに立地最優先で抑えてあります。でも、やめときゃいいのに色々調べると……あっちの方が便利だ、あっちの方がロンシャンに行きやすいなど、次から次へと候補が増える。結局、三ヶ所ほど掛け持ち予約(ゴメンなさい)。その中で、ロンシャン行き、観光、食料買いだし、諸々に一番便利なホテルを選択してあとは早めにキャンセル。
考えに考えて決めただけに、帰ってきた今思っても最高の選択だったと思います。

あとはロンシャン競馬場に二日間行くか、それとも一日だけで辛抱するか。私の希望はもちろん二日。でも家族の希望も取り入れねばならず、ロンシャンは当日の一日だけ、少し早めに行くということにして、他の日はパリを観光するということになりました。アスコットは電車で下見までしたんだけどなぁ……。パリの観光は前に存分にしてるんだけどなぁ……というのが本音でしたが。
まあ、自分の希望だけ通すわけにはいかないのでしかたありません。


あとは、前述の移動をどうするか。
どういう経路で観光をするか。
そして、子連れでも食事しやすいレストランはどこか(結局、ホテルの近くのレストランが一番良かった)。
皆が希望したセーヌ川クルーズは、どの会社を使うか。


オルフェーヴルの渡仏、向こうでの様子を思い浮かべるとともに、何故だかパリ市内の地図・地理がほぼ完璧に頭の中に入ってしまった2012年の夏でした。

ここまでが長かった。日記でも長いけど、実際にも長かった気がします。
すべては凱旋門賞の、その最高の一瞬のための一年間だった気がします。

その4↓へ続く
http://d.hatena.ne.jp/oumani-hamaru/20121110/1352535909