オルフェーヴル 明日 有馬記念 〜古馬と初対戦〜池添Jと二人三脚

注目の馬場は、今のところ、また内の先行馬場になっています。明日で変わってくれるかどうか。
何とペルーサが取り消し。神戸新聞杯でもクレスコグランドが取り消しでしたが、本当に関係者の気持ちを考えると残念です。
ただ、オルフェーヴルより内の馬であったため、これで実質「8番」からスタートできることになりました。たったの1枠分ですが、かなり大きいように思います。これで内から2頭目当たりを回れるかな?
オルフェーヴルも他の馬も体調は問題ないでしょう。それ以外の焦点は主に2点。


①最強古馬相手に通用するのか?
ブエナビスタという頂点以外にも、実績馬、本格化した馬、強い馬が何頭もいる粒ぞろいの最強の古馬陣。
今年の中長距離G1を勝った馬がほとんど出走。池江師も何度も言われているように、最強といわれる古馬陣に、3歳馬オルフェーヴルの力が通じるかどうか。
(もちろん通用すると信じています。でも、これまでとは違う立場。胸を借りる立場だとも思います)

②小回りの2500mでこの馬の力が発揮できるのか?
オルフェーヴルは府中が一番向いてると思います。池江さんも、このクラスになると競馬場で有利不利は言ってられないと前置きした上で「府中の2000m」が一番向くとおっしゃっています。
この馬の競馬場に行っての気性は今でも尋常ではありません。出遅れは最近克服してくれていますが、それ以外はまだまだ大変。菊花賞でもゴール後にジョッキーを落としましたが、それ以外にもコーナーで外にふくれる(左回りでは内にもたれる)、抜け出して内に切れ込む(菊も神戸も、最後も追うのを辞めたというより、ラチの方に寄っていって危険なので懸命に修正して追えない状態)、折り合いも付いているように見えても実際には行く気満。
ずっと池添ジョッキーとの駆け引きの連続。
その気性を操るための池添ジョッキーの予測と操作の組み合わせが進化しているのでレースが普通に出来ているようにみえますが、実際に乗りこなすのは簡単なことではありません。
実際に菊花賞のパトロールを見ても、先日触れたコーナリングを含め、池添ジョッキーの細かな操縦は本当に見事なものでした。
距離が長くなるほど、折り合い面での操縦もきつくなるでしょう、コーナーがきつくコーナーの回数が多くなればなるほど、そこに気を使う操作も多くなります。
今回中山の2500は、そういう意味ではオルフェーヴルにとっては大変なコースだと思います。池添ジョッキーの操縦と、オルフェーヴルとのコンタクトにかかる比重が大変高いレースでしょう。
決して向いているとは言えない舞台で、最強の古馬陣と初めての対戦。これまでとは随分と勝手が違うことも多いでしょう。せめて枠の助けがあればと思いましたが、今回の6枠は、チャンピオンとして「無難に競馬を出来るできる枠」ではあるでしょうが、古馬の胸を借りる挑戦者の立場として「上手く競馬をしやすい」枠ではありません。

でも、前にも書きましたが、この馬、本当に一戦毎に強くなっていると思います。一レースごとの成長度がここまで大きい馬は初めてです。5月14日生れですし、菊花賞のあとも2ヶ月間隔が空きましたのでさらに成長している可能性もあります。

そして、その成長の中には、一戦ごとの池添Jとのコンタクトの深まりも含まれています。池江師がテレビで「世界のどんな一流ジョッキーでも、この馬を初めて乗って乗りこなすのは無理」とおっしゃってました。私もそう思います。簡単に乗れるようになったと見えるかもしれませんが、とんでもない。まだまだ乗り難しい馬です。
もちろん馬の気性の成長もありますが、最近無難に乗れてるように見えるのは、何よりも池添Jがオルフェーヴルの特徴をつかんで、繊細に対応し続けてくれている部分が大きいからだと思います。
菊花賞でも、本当に小刻みに対応してくれてます。行かせたり、引いたり、なだめたり、コーナーではカーブの緩いところで進出して、きついカーブの手前では減速して重心移動して膨れないように……などなど。
オルフェーヴルの気性から想定しうる事態を事前に察知して、見事に細かく対応して乗りこなしてくれています(それでもそのジョッキーを落としたオルフェーヴル……)。

良くも悪くも池添Jの操縦次第。そして、それにオルフェーヴルがどう反応するか。
初めての古馬との対戦とこのトリッキーなコースで戸惑うことも多いでしょうが、きっと池添Jが、懸命にオルフェーヴルの一番良い走りを引き出してくれると思います。

年末最後の大一番。よい結果を出して欲しいのはもちろんですが、これまでと違って何回でも挑戦できるレースです。菊花賞のように絶対に絶対に負けられないレースではありません。そういう意味では気楽に楽しめます。でもせっかく有力馬として挑戦する資格を得たのですから、出来れば多くの人に喜んでもらえるようなレースをしてくれたらなぁ……と思います。
ただし、結果よりも何よりも無事が一番。とにかく無事が一番。寒いし時期ですし芝も荒れ始めています。まずはとにかく無事に、ケガなく、アクシデントなく走り終えて欲しいと思います。