オルフェーヴル 明後日 宝塚記念 阪神競馬場

お天気がいいようで何よりです。雨の方が有利だとか言われますが、雨で少しの着順が変わることより、アクシデントが起こることの方がずっと恐いと思います。だから良馬場でレースを迎えられそうなのは良い材料。
池江師が最終追い切り後のコメント(日刊)で、「出来は7割」「ファン投票2位や3位なら秋に備えたかもしれない」と言われています(何故オルフェーヴルのことを最優先してくれないの、分かっているなら何故秋まで待ってあげないの……と悲しくなります)。

問題は「7割で出来で勝ち負けになるか」ではありません。人によっては「阪神大賞典での走りを考えれば7割の状態でも勝ち負けする」と考える人もあるかもしれません(そんなに甘くないと思います)。でも問題はそこではないでしょう。
問題は、「7割の状態で大一番のきついペースのG1走って、その後にどう影響するか」だと思います。
いつも言うように、全戦全勝なんて最初からありません(勝つつもりで挑むのは当然として)。十数頭が本気で勝ちに来るG1ですから、勝負はその時々。1.3倍の春の天皇賞も、去年の有馬記念も、必ず勝てると思ってレースを見ていたわけではありません(有馬記念は道中で完全にダメだと思いました)。完調であったとしても「必ず勝てる」のなんて、もはや競馬ではないでしょう。逆に少し状態が劣っていても展開、ロスをなくす等で、状態以上に結果を残せることもあります。勝ったり負けたりするのが競馬。


はっきりしていることは、間違いなく阪神大賞典でのあの尋常でないレースの影響(負の連鎖)が、ここまで継続してしまっているということ。
だからこそ、今回、その影響を取り除けていない「7割」の中で、きついG1レースを走らなければならないことが、今後にどう影響するか。
それは正直言ってかなり心配です。


そういう意味でも、今回は、ジョッキーには何よりも無理のない競馬を望みます。「何が何でも!」ではなく、少しでも無理のない競馬、オルフェーヴルを助ける競馬をしてあげて欲しいと思います。
菊花賞でスムーズに3000mを乗り切ったように見えたのか、マスコミからは「レースが上手い」「器用に上手くレースをこなせる馬」とまでの評価を得ましたが、とんでもない。真逆です。以前からレースの度に指摘してきた「出遅れる」「掛かる」「コーナーでふくれる」「直線でささる」という心配点。近走では全てを露呈しています。
有馬記念では出遅れました。そして、あのとてつもなくきつい負担のかかる競馬になりました(実は、これが、春一連の負の連鎖の遠因でしょう)。
阪神大賞典では掛かって制御不能に、そしてあの逸走、直線では内にささりました。
天皇賞では、馬の問題もありますが、ジョッキーが焦りすぎたのか、4コーナーでとんでもない外への膨らみ。
心配なところがすべて出てしまっています。池添騎手も乗りにくいと思いますが、どうか今回は、スムーズにロスなくオルフェーヴルを助けてあげて欲しいと思います。何が何でもを優先すれば、また裏目に出かねません。


今回、距離が短くなります。これまで折り合い面でどれだけ大変だったかを考えると、かなり走りやすくなるでしょう。ただし、やっぱり今後のことも考えて欲しいと思います。せっかくこれまで一戦一戦折り合いを教え込んできたのを台無しにする必要はないでしょう。スタンド前も通過します。あくまでも折り合い最優先。
池添Jは、皐月賞ではロスのない好騎乗でオルフェーヴルを助けてくれました。ダービーでは、最後までオルフェーヴルの脚を信じて折り合い最優先で直線に賭けてくれました。
今回は前走の影響で前に行こうと考えるかもしれませんが、極端に控える必要も極端に行く必要もないと思います。皐月賞のようにしっかりとロスなく中段で脚を溜めて、ロスなく先段に取り付いていくような、オルフェーヴルを助ける騎乗をしてあげて欲しいと思います。有馬記念のような後々まで響く負担のかかる競馬や、前走のように焦って超大外をふくれて回る競馬は絶対に避けて欲しいと思います。間違いなく負担が残ります。
そういう意味でも、恐れず馬群に入れて、馬群をロスなく上がって行く競馬して欲しいと思いますが、この枠だと難しいかもしれませんね。
それと、今回に限らず、池添騎手はあまり乗り方を公言しない方がいいと思います。
前走もそうですが、本命馬が「最後方から行って抑えます」と宣言した時点で、ああいう展開を作られるのは予想できたことでしょう。いつも正直に乗り方を明かす必要はありません。
とにかく、勝つこともあれば負けることもあるのが競馬。ジョッキーの、今度こその思いも絶対必勝の思いも分かりますが、無理な負担を強いる競馬は避けて、馬の状態を考えて、少しでも馬を助ける騎乗をしてあげて欲しいと思います。
何よりも、前々走のようなアクシデント(と無茶な追い上げ)や、前走のような無理がないことを、一番に考えて欲しいと思います。
とにかく無事に走り終えて欲しいと願っています。